オールパスフィルタの実験をしました。
参考にしたのは、Cyber Work Shop(電脳工作室)というサイトです。
詳しい理論は、このサイトに説明がありますので参照してください。
オールパスフィルタは、入力電圧を変えずに位相だけを変化させます。
今回は、90°位相を遅らせる回路です。
上の式で f = 800Hzとし、C1 = 1000pF = 1.0×10^-9F とすると R3 = 1.99×10^5Ω = 199KΩ
そこで、R1 = R2 = 100kΩとし、R3 = 200kΩ C1 = 1000pF として800Hzで位相差90°の回路を作ります。
この回路を単一電源でLM358で作ると次のようになります。
この値だと、計算上は796Hzで位相差90°が得られます。
しかし、実際には、コンデンサや抵抗の値の誤差により、840Hzで位相差90°になりました。
なお、今回は、Vcc=3Vで実験をしましたが、ダイナミックレンジが低いので、もう少しVccを大きくした方が良いと思います。
青がInput、赤がOutputです。反転増幅ですので、Inputを反転させた波形から90°Outputが遅れていることがわかります。
縦横の比が若干違っていますが、円形になります。
周波数を10Hzくらい上下させると円がすぐゆがみます。かなり、シビアです。
同様に、位相差には、C1,R3の値もシビアに反応します。
では、次に周波数を変えたらどうなるのか、Excelでシミュレーションして、グラフにしてみました。
このグラフで見ると約20Hzで位相差0になりますが、実際には約30Hzで位相差0になりました。
リサージュ図形です。
グラフでは、90°以上では、位相差がマイナスになりますが、実際には位相差はどんどん大きくなり、約20000Hzで位相差180°になります。
反転増幅ですから、入力波形と重なります。
リサージュ図形です。
今日の実験は、ここまでです。
IQ信号のI信号を位相差90°のオールパスフィルタをを通すとQ信号と位相差180°の反転した信号が得られますので、加算すれば、片側サイドバンドの特定の周波数を消すことができるはず。
とりあえず、やってみましょう。